vol.1 竹竿について
初回は竹竿の調整、使用時の注意事項、保管方法などをテーマといたしました。
竹竿の火入れ・込み調整について
火入れについては、気になる曲がりが出ましたら点検に出された方が良いと思います。悪い個所が無ければ気にすることはありませんが、おかしな点がありましたら見させて頂ければこちらで判断させて頂きますのでご安心下さい。
火入れも大事ですが、火入れ以上に気を使っていただきたいのは込みです。込みが悪くなりますと曲がる原因にもなりますし抜ける、そして折れる原因にもなります。込みが甘いということは竿の致命傷ともなります。本来穂先・穂持の間で5cm入るところが3cmしか入らず使用致しますと故障を起す確率が高くなります。多少深く入るぐらいの方が安心です。
なお、当店お買い上げの竿は火入れ・込み調整は何回でも無料です。
竿の調子について
調子に付いてですが、正確に申しますと一本一本すべて違います。逆に同じ調子を出すことが不可能に近いと思います。なぜなら竹のバネ・ネバリ・自重など同じ物がありません。一般的に穂先は真竹・穂持は高野竹・元・元上は矢竹と三種類を使用しますので困難を要します。
また、作者にも個性がありまして生地組によっても変わります。大きく分けますと軟式・中式・硬式とに分かれますが、軟式に近い中式とか硬式に近い中式とか、人によっても感じかたも違ってくるものと思われます。調子銘も作者によって様々ですので一概には言えません。だから竹竿は何十年経っても飽きがこないものと言えます。
使用時の注意点・保管について
使用時の注意点では込みを一番気をつけて下さい。出来ましたら3~4時間に一度込みを確認して頂ければ良いと思います。
慣れませんと強く差すことが出来ませんがしっかり差しこんで下さい。穂先が抜けたら大変ですのでくれぐれも強く入れて頂ければ良いと思います。差し込む時は手と手がくっつくぐらいで竿を持ちます(重要なことです)。
抜き方が悪いと竿を曲げたり破損の原因にもつながります。
まず、差し込む時と同じで手と手を合わせます。ここで肝心なことは、太い方を引くことです。慣れない人は細い方(上の部分・例穂先)を抜こうとしますが、これが間違いで穂持ちを引くことがポイントです。この方法で竿を操作しますと玉口を曲げたり、口を欠いたりすることがなくなります。
差す時・抜く時が大事です。
終わりましたら軽く乾拭きだけで結構です。油等は一切塗らないで下さい。
意外に竹竿は自然に放置しておきましても20~30年は楽に使用出来ます。
あと、注意点は暖房のある部屋には置かない方が良いです(寒い部屋が理想)。
トランクに入れっぱなしも良くありません。
のんびり竿の弧を見ながら手首を曲げずに一枚一枚魚に合わせて竿をリード出来れば最高です。
見ておりますとへら鮒が掛かった瞬間に玉の柄に左手が向かっております。水面に顔を出してからで遅くはないと思います。
竹竿はやりとりが楽しいはず。
何かありましたら当店までご一報頂ければご説明させて頂きます。