vol.3 へら鮒とやりとり
魚がヒットしたときのあげ方と言いましても別段考えることがないような気がしますが、意外にへら鮒が逆方向にむいているとき、腕の力で上げようとしております。が、竿にとっては良くありません。
竿の操作方法
竹竿をうまくリードするには、へら鮒が正面に向いているときは竿をしぼり、それ以外はただ竿をためていれば良いと思います。
「ためる」という動作は、腕をのばして竿を静止する状態です。へら鮒が沖に走れば竿をおくり、手前に向きましたら竿をゆっくり上げることです。竿に負担がかからずクセもでにくく故障も少なくなります。特に軟らかい竿には重要なポイントとなります。理想としましては竿掛の先からへら鮒が口を開けて寄ってくれば最高です。竿掛の先からへら鮒が出るようにするには目を閉じてへら鮒の動きを感じれば自然と竿の操作をどのようにすれば良いかが分かります。一度目を閉じて竿を操作してみて下さい(別な竹竿の良さを感じられるハズではないでしょうか)。
よく見かける傾向は、へら鮒が掛かった瞬間、左手が玉の柄に向かっています。これではへら鮒をただ早く取り込むだけで本当の楽しむということが半減してしまいます。へら鮒を掛けることも重要ですが、ヒットしたあとのやりとりはもっと重要になります。へら鮒が掛かりましたら左手は腰の後ろにまわし、へら鮒が竿掛附近に見えた頃、おもむろに玉の柄を探しましてもけして遅くありません。
玉の柄の長さについて
竹竿を使用するときの玉の柄の長さですが、最近の傾向として、短かい玉の柄が人気もあり、多くの方達が愛用されていると思います。竹竿を使用するときの玉の柄は、短すぎても長すぎても竹竿に負担が掛かります。短い玉の柄はかなり絞り込まないとへらを取り込むことが出来ません。この時に穂先・穂持に負担がかかり過ぎ、曲がりの原因にもなります。また、長すぎる玉の柄は玉網よりへら鮒が手前に来てしまい玉の柄を手前に持ち直しても、なかなかへら鮒を取り込むことが出来なくなります。やはり穂先・穂持に負担が掛かります。竹竿に負担を掛けない玉の柄の長さとは竿によって玉の柄を変えるべきだとおもいます。出来ましたら一本ものの玉の柄と一本半の玉の柄を用意出来れば竹竿にとっては有難いことです。
竹竿でのやり取りは本当に楽しいもので、軟式の竿には軟式の上げ方がありますし、硬式には硬式なりの上げ方があると思います。一本一本すべて調子が違いますので自分に合わせるのではなく、その竿に合わせた使い方を見つけ出して下さい。きっと違った意味での楽しさが倍増致します。