vol.5 竹竿と浮子のバランスについて
竹竿とウキとの関係
竹竿とウキとの関係ですが、竹竿を振ったときに感じることは竿の調子にあったウキがあることに気がつきます。それは、オモリ・エサとの比重にも関連しますが大きなウキ(浮力の大きい)で細めの軟調子を振りますとバウンドしまして上手く振り込めません。また逆に硬調子に軽いウキですと竿のしなりが伝わらず思う位置に振り込めないことがあります。
何故?
竿の長さ・水深・エサによってもウキの選び方も変わりますが竿の調子によって考えても良いのでは?と思います。調子に合わせたウキの選び方と言いましても難しい部分があると思いますが、最近の竿は穂先が太くしっかりしておりますが穂先の細い竿には特に注意が必要ではないかと考えられます。
先日「幸手園」に釣りに行きまして周りを見ましたところ「先代孤舟」を振られている方がおられました。離れた所で見ておりましたところ「底釣り」で一人のんびりで楽しんでおられる様子がうかがえました。11尺ぐらいと感じましたが上げるたびに何か穂先の曲がりが自然ではありませんでした。なんで穂先の先端が上げるたびにシナルかが不思議に感じ失礼のない所まで近づき見させて頂きました。「先代孤舟」の竿は30年前以上に作られた竿で、30年前と言いますと今より魚も小さく量も釣れませんでした。ですから調子も軟式が多く竿全体も細く繊細に作られた竿で当然穂先を細くしなやかに曲がる竿が多く製作されておりました。
タナ、浮子、オモリなど竿にあった仕掛けが竿にはベスト
「仕掛けと浮子を見ましたところ11尺を振るには大きすぎるのでは?と感じました。一般的には15尺でも振れるウキに感じましたが釣りの考え方は人それぞれですので仕方ありません。それにしても穂先の曲がりが不自然でしたのでウキの立ち方を見ましたところ「中通し」で釣られておりました。穂先の曲がりの原因はそこにあることに気づきました。「中通し」が悪いわけではありません。どうしても気になりましたのでどうですかと声を掛けさせて頂き釣りの話から竹竿の話まで30分程いろいろ話をさせて頂き本当に申し訳なかったのですが、竿の為と思い勇気をもって竿のバランスのことを話しましたところ怒られるかと思いましたが逆に喜んでもらえウキを小さいものに取り替えて頂きそれならバランスで釣ろうと言って頂けました。
現在大型に対応すべき竿が変わりつつありますことは事実ですが、やはり竹竿を使用していただける上では、条件にあった釣り方をはじめ、竿の調子に合わせて釣り方を考えることで釣りがもっと楽しくなるもと考えております。何か難しく取られがちですがけしてそのようなことはありませんのでここだけは強く強調させて頂きますが、竹竿はへら鮒を釣る竿です。クセが出ようと玉口が割れ、また、万一竿が折れましてもご安心下さい。竿師さんがおられる限り竹竿は半永久的にご使用出来ますのでどうか安心してご使用下さい。
最後に修理等ありましたら「柴舟」までお電話下さい。