九度山駅へ・・・到着
九度山駅へ到着・・・・現在の駅風。
「至峰」さんへは徒歩5~6分、
3月頃だったと思いますが玄関先で素材を偶然選別をしておりました。
挨拶を交わして素材の前で動作を見ておりますと素材は「矢竹」で5~6束ありましたかね。(5~600本)
それを一本一本素早い動作で選抜されており右側には100本中5~6本だと思いますが左側には残りが山住にになっております。
「至峰」さんが素材を二本渡してくれまして柴舟さん曲げてご覧と・・・
最初は山住の中の竹を曲げ、次に数本の中の素材を曲げますと確かに素人でも判るほど硬さの違いが分かりました。
「至峰」さん曰く素材が良くないと話にならない、硬い素材でないとへら竿は駄目としっかりした口調で語ってくれました。
「至峰」さんの素材選びは最高の素材でないと確かに駄目でしょう、ただ尺単価の安い方ではそこまで選んでいたら生活が出来ないと別の竿師さんは素直に言ってくれました。
確かにその当時尺単価が20000円前後しておりましたかね、年間の製作本数が少ないから最高の素材を選んで竿を作れるに違いありません。
これは竿師さんの考えで本数を少なくしても妥協しない竿を作る人と自分の技量を考え尺単価を落としても無難に作る竿師さんの考え・・・どちらも間違っていないと思います。
竹竿は安いから良くないと思われる方がおりましたら自分はそうではないと思います。
当時、当店で五郎さんの竿を多く販売させて頂いておりました。
尺3500~4500円でしたが沢山の方に購入頂きました。
ここで竿の良し足を判断する方法と申しますか一番良く分かるには修理を見ればある程度判断出来ます。
数多く世の中に出回ると言うことは修理に帰ってくる本数も当然多くなります、まして安価な部分乱暴とは申しませんがいろいろな釣り場で気楽に使えます。
その修理した竿を総合的に判断しますとこの竿師さんは上手い・下手か分かります。
出来上がった時点より年数が経過した竿を見て判断しますと一目瞭然で上手いと分かるようになりました。
脱線しましたが竹竿を沢山見てきますとこの竿師さんはここが上手とかここは苦手なのかなとも分かるようになりましたね。
後、竹竿選びの楽しみは調子だと思います。
これは個人差と申しますか軟らかい竿が好きな方、またしっかり目の強い竿が好きな方・・・これは好みです。
お客様から誰々さんの竿は軟らかいとか硬いとか、たまに聞かれますが決してそうではなく全員が軟らかい竿から硬い竿まで素材に合わせて生地組しておりますので是非いろいろな調子を見て頂ければ有難いですね。
話を戻しまして「至峰」さんの素材選びが一段落しまして仕事場へ案内して頂きました。
ここでびっくりした事がありました。
新聞記事・・・毎日新聞1976年9月26日より